|
〜 芦野家の墳墓の竹林で≪竹の子掘り≫と伊王野の道の駅で≪水車そばランチ≫ 〜
那須の芦野の里は、古来から明治の廃藩置県まで芦野家の支配にあったところである。御殿山の南600mのところに芦野家代々の≪芦野家墳墓≫がある。荒れ果ててはいるが、時おり地元の人が墓参りをすることもあり、歴史を感じさせる趣が漂っている。
5月のGWが過ぎた日、芦野家の家老の子孫にあたる人に案内され、その親族が所有する、墳墓の裏に広がる竹林を竹の子掘りのために訪れた。周りの明るい春の陽射しと対照的に、竹林の中はわずかに陽が差し込む程度のうす暗くさである。竹林に入ると、あちこちに黒い竹の皮に包まれ頭に緑色の芽を付けた竹の子が、スクッと地面から頭を出し伸びている。芦野の里の、人の手がほとんど入っていない、自然そのままのこのうす暗い竹林の竹の子は、新鮮 でそのままでも食べれそう。芽が伸びて日が当たると、竹の子の味が落ちると言われ、料亭などでは日が当たらない朝採りの竹の子がもてはやされているという。しかしここにいるとそんなことも考えずに、自分好みのものを見つけては掘り起こしていく。どれもこれも美味しそうな雰囲気が漂っていて、思わずたさん掘り起こしてしまう。間引きも兼ねて、密集しているところを採るようにするのも、この竹やぶを健全な状態に保つひとつの心掛けでもある。竹の子の根の少し上の“節”からきれいに彫り上げることが出来たときは、思わず嬉しくなってしまう。採りすぎても食べるのに大変なので、竹の子堀りはほどほどにしておく。それでも持参したプラケースに山のように採ってしまった。都会の人たちからみると、何とも贅沢な話しである。
竹の子掘りのあとは、近くの伊王野(いおうの)の道の駅に立ち寄り、昼食をとることにした。かつては源義経も平泉に向かう時に通ったとされる「東山道」にあるこの伊王野の道の駅には、直径12mと6mの大きな二連水車があり、この水車の石臼で挽いたそば粉を使用し、店内で組合員がその日に打った手打ちそばが食べられる。そば畑はこの伊王野の随所にあり、水車小屋の裏にも広がっていて、そこで収穫したそばの実を使っている。メニューには「水車そば」と普通の「そば」があり、「水車そば」は青刈りしたそばを天日で10日間ほど干したそばを脱穀し、そ のあとで水車の石臼で挽いた粉を使って打つそばである。それだけに味わい深く、早い時間に行かないと売り切れとなってしまう。
この日も「水車そば」は売り切れで、仕方なく普通の「天ざる」を注文した。それでも地元の畑で採れたそばの実を使った打ち立てのそばだけあって、味は間違いない。また天ぷらも揚げたてで、この時は「山ぐるみ」「野菜のかきあげ」「さつまいも」の天ぷらが出てきた。地元の人が「山ぐるみ」と呼んでいるのは通称「こしあぶら」と言われる山菜で、天ぷらにすると上品な味が広がり“山菜の女王”とも呼ばれる。最近では「たらのめ」をしのいでいるとも言われる。伊王野のそばと地元で採れたフレッシュな山菜の天ぷらで、田舎ならではの贅沢なランチであった。
2008.05.07 by 大貴智(Daikichi)
|